ガバナンス
サステナビリティ関連のリスクと機会を、取締役会や経営者がどのように監督・管理しているか。
Reiwa Accounting School
Global Professional Education
財務情報に続く「もう一つの共通言語」として、サステナビリティ情報の開示が世界標準化しています。ISSBが定めるIFRS S1・S2の内容と、日本のSSBJ基準・適用スケジュールを整理します。
ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)は、2021年にIFRS財団のもとに設立された、サステナビリティ開示の国際基準を作る審議会です。会計基準を作るIASBと並ぶ存在で、「財務」と「サステナビリティ」の2本柱で、投資家に有用な情報を世界共通の形で提供することを目指します。
ISSBは、これまで乱立していたサステナビリティ開示の枠組み(TCFDの提言やSASBスタンダードなど)を土台に取り込み、国際的に一貫した基準へと束ねました。
ISSBの狙いは「投資家の意思決定に役立つ」サステナビリティ情報を、財務諸表と同じ土俵で比較できるようにすることです。単なる理念ではなく、企業価値に結びつく情報としての開示を求めます。
ISSBが2023年6月に公表した最初の2つの基準が、IFRS S1とIFRS S2です。いずれも2024年1月1日以後に開始する事業年度から適用が始まっています。
サステナビリティ関連のリスク・機会全般について、投資家が必要とする情報の開示を求める土台となる基準。
気候変動に特化した基準。GHG(温室効果ガス)排出量(スコープ1・2・3)や移行計画、業種別の指標などを求めます。
IFRS S1・S2の開示は、TCFDの枠組みを引き継いだ4つの柱で構成されます。この構造を押さえると、どの基準でも情報が整理して読めます。
サステナビリティ関連のリスクと機会を、取締役会や経営者がどのように監督・管理しているか。
それらのリスク・機会が、企業のビジネスモデル、戦略、財務にどう影響するか。
リスクと機会を、どのように識別・評価・優先順位付け・モニタリングしているか。
進捗を測る指標(気候ならGHG排出量など)と、設定した目標・実績。
日本では、SSBJ(サステナビリティ基準委員会)が、ISSBのIFRS S1・S2との整合を基礎に、日本版のサステナビリティ開示基準を開発しました。2025年3月に基準が確定し、「ユニバーサル基準」「一般開示基準」「気候関連開示基準」の3つで構成されます。
適用は、大企業から段階的に義務化されるスケジュールが示されています。
| 対象 | 適用時期(見込み) |
|---|---|
| 全企業(任意適用) | 2025年3月期の報告から任意適用が可能 |
| 時価総額 3兆円以上 | 2027年3月期の報告から義務化 |
| 時価総額 1兆円以上 | 2028年3月期の報告から義務化 |
※ 適用時期は公表資料に基づく見込みで、今後の制度整備により変わる可能性があります。
「サステナビリティ開示は、もはや“CSRの延長”ではなく、投資家向けの財務報告と地続きの世界標準になりました。ISSBのIFRS S1・S2、そして日本のSSBJ基準は同じ骨格(4つの柱)を共有しています。会計とサステナビリティの両方を、国際基準の言葉で読める人材の価値は、これから確実に高まります。」
※ このセクションはReiwa Accountingの講師による独自の解説であり、公式機関の見解を示すものではありません。