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Consolidation

連結決算をわかりやすく
支配・のれん・非支配持分・持分法の基礎

親会社と子会社を「ひとつの会社」とみなして作るのが連結財務諸表です。IFRSにおける支配(IFRS 10)の考え方から、のれん・非支配持分、関連会社の持分法までを、初学者向けに整理します。

Section 1

連結決算とは:グループを「ひとつの経済的実体」として見る

企業は、子会社や関連会社を通じてグループで事業を行います。もし親会社単体の financial statements しか見なければ、グループ全体の実態はつかめません。そこで、支配している会社群をまとめて「ひとつの会社」であるかのように作成するのが、連結財務諸表です。

連結によって、グループ全体の売上・資産・負債・利益が一体として示され、投資家はグループの規模や収益力、財務の健全性を正しく評価できるようになります。

Key Idea

連結の出発点は「誰を仲間に入れるか」、つまり支配しているかの判定です。支配していれば子会社として全部を取り込み、支配はしないが重要な影響があれば関連会社として持分法で取り込みます。

Section 2

「支配」の判定(IFRS 10)

IFRS 10では、支配を「議決権の過半数」だけで機械的に決めません。次の3つの要素をすべて満たすときに支配があると判断します。議決権が50%以下でも、契約などにより支配が認められることがあります。

1 Power

投資先に対するパワー

投資先の重要な活動(リターンを左右する意思決定)を指図する現在の能力。議決権が代表例ですが、契約上の取決めなども含みます。

2 Variable Returns

変動リターンへのエクスポージャー

投資先への関与を通じて、変動する(増減する)リターンを得ているか。配当だけでなく、さまざまな経済的利益が含まれます。

3 Link

パワーとリターンの結び付き

パワーを用いて、自らのリターンの大きさに影響を与えられること。上の2つを結び付ける要素です。

Section 3

連結の手続き(4ステップ)

子会社を連結する基本的な流れは、次の4つのステップで整理できます。

  1. 1
    Step 1

    財務諸表を合算する

    親会社と子会社の資産・負債・収益・費用を、持株比率にかかわらず全額(100%)合算します。

  2. 2
    Step 2

    投資と資本を相殺し、のれんを算定する

    親会社の「子会社株式(投資)」勘定と、取得した子会社の資本を相殺消去します。差額はのれんとして計上します。

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    Step 3

    非支配持分(NCI)を区分する

    子会社の純資産・純利益のうち、親会社以外の株主に帰属する部分を「非支配持分」として区分します。

  4. 4
    Step 4

    内部取引を消去する

    グループ内の売上・仕入、債権・債務、そして在庫などに含まれる未実現利益を消去し、外部との取引だけを残します。

未実現利益の消去

グループ内で商品を販売し、その在庫が期末に残っている場合、売り手が計上した利益はグループ全体ではまだ「未実現」です。連結では、この未実現利益を消去し、外部に売れて初めて利益とみなします。

Section 4

のれんと非支配持分(NCI)

連結で特徴的なのが、のれんと非支配持分(NCI)です。のれんは、子会社の取得対価が、受け入れた識別可能純資産の公正価値を上回る部分として生じます(詳しくはIFRS 3 企業結合(のれん)を参照)。

非支配持分は、子会社の純資産・純利益のうち親会社以外の株主に帰属する部分です。連結貸借対照表では「資本」の区分に、連結損益計算書では純利益の内訳として表示されます。

のれん

取得対価などが識別可能純資産の公正価値を超える部分。償却せず、減損テストを行う(IAS 36)。

非支配持分(NCI)

親会社以外の株主の持分。資本の一部として表示。測定は公正価値または純資産の比例持分から選択。

例題:のれんと非支配持分を計算する

P社が、S社の株式の80%を対価1,000で取得しました。取得日のS社の識別可能純資産(公正価値)は900です。非支配持分(NCI)を「識別可能純資産の比例持分」で測定する場合、のれんは次のように計算します。

移転した対価1,000
+ 非支配持分(900 × 20%)180
− 識別可能純資産(公正価値)(900)
のれん280

このとき、取得日の非支配持分は 900 × 20% = 180 となり、連結貸借対照表では資本の区分に表示されます。なお、NCIを「公正価値」で測定する方法(全部のれん方式)を選ぶと、のれんの金額は変わります。

Section 5

子会社・関連会社・共同支配の違い

関与の度合いによって、連結の方法が変わります。「支配=完全連結」「重要な影響/共同支配=持分法」が基本の対応です。

関係 判定の目安 会計処理
子会社 支配(IFRS 10) 完全連結:資産・負債・損益を全額合算し、非支配持分を区分。
関連会社 重要な影響(通常は議決権の20〜50%) 持分法(IAS 28):投資額を、持分に応じた純資産・純利益の変動で調整。
共同支配企業(JV) 共同支配の取決め(IFRS 11) 持分法で会計処理します。
共同支配事業(JO) 共同支配の取決め(IFRS 11) 自らの持分に応じた資産・負債・収益・費用を直接認識します。
Expert View

Tetsu先生の視点

「連結は難しく見えますが、幹はシンプルです。『支配していれば全部取り込む(子会社)、重要な影響なら持分法(関連会社)』——まずこの対応を押さえてください。そのうえで、のれん・非支配持分・未実現利益の消去という“連結ならではの調整”を一つずつ理解すれば、複雑なグループの財務諸表も読み解けるようになります。ACCAのFR・SBRでも中心テーマです。」

※ このセクションはReiwa Accountingの講師による独自の解説であり、公式機関の見解を示すものではありません。

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