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IFRS in Japan

日本におけるIFRSの適用状況
任意適用の歩みと時価総額約50%に達した現状

日本におけるIFRS任意適用の歴史、現在の適用企業数や時価総額比率、主要企業の適用事例、そして日本で併存する4つの会計基準について解説します。

Section 1

任意適用の歴史と現在の適用状況

日本では2010年にIFRSの任意適用が認められて以降、強制適用ではなく、企業の判断に基づく任意適用として導入が進んできました。海外投資家への説明力、グループ経営管理の統一、海外子会社との会計方針の整合性などを背景に、適用企業は段階的に増加しています。

2025年時点では、IFRSを適用済みまたは適用予定の企業は約300社に達し、時価総額ベースでは東証上場企業全体の約49.8%を占める規模となっています。

IFRS適用・適用予定企業 約300社

2010年の任意適用認定以降、グローバル展開企業を中心に段階的に増加しています。

東証上場企業の時価総額に占める割合 約49.8%

企業数では一部にとどまる一方、時価総額ベースでは東証市場の約半分に達しています。

適用企業の時価総額合計 約504兆円

日本を代表する大型企業がIFRS任意適用を選択していることを示す規模感です。

Section 2

適用の推移(2022〜2025年)

IFRSを適用(または適用予定)とする企業は、近年も着実に増加しています。会社数の伸びと、東証全体の時価総額に占める割合の推移を見てみましょう。

IFRS適用済・適用予定 会社数各年6月末・東証(社)
0 100 200 300 247 2022 2022年:247社 274 2023 2023年:274社 284 2024 2024年:284社 315 2025 2025年:315社
適用企業の時価総額比率東証の時価総額に占める割合(%)
40% 44% 48% 52% 45.1% 2022 2022年:45.1% 46.5% 2023 2023年:46.5% 48.9% 2024 2024年:48.9% 49.8% 2025 2025年:49.8%
参考:US GAAPは縮小傾向

一方で、米国基準(US GAAP)を採用する企業は、2004年の約35社をピークに減少を続け、現在は約6社にとどまります。IFRSの拡大とは対照的に、US GAAPは縮小傾向にあります。

データ表を見る
年(6月末)適用済・適用予定 会社数時価総額比率
2022247社45.1%
2023274社46.5%
2024284社48.9%
2025315社49.8%

出典:日本取引所グループ(JPX)・東京証券取引所の公表資料に基づく(各年6月末前後の値)。参考:2016年6月末時点では適用済 約120社・時価総額比率 約21.5% であり、長期的に大きく拡大しています。

Section 3

主要な適用企業(業種別)

IFRS任意適用は、海外展開、資本市場対応、M&A、グループ管理の高度化と結び付いています。代表的な適用企業を業種別に見ると、以下のような広がりがあります。

Manufacturing

製造業

トヨタ自動車、日立製作所、パナソニックホールディングス、武田薬品工業など。海外売上比率が高く、グローバル投資家との比較可能性を重視する企業が多く含まれます。

Finance & Insurance

金融・保険

三菱UFJフィナンシャル・グループ、野村ホールディングス、第一生命ホールディングスなど。国際的な資本市場や金融規制との接点が大きい業種です。

Trading, IT & Telecom

商社・IT・通信

三井物産、三菱商事、伊藤忠商事、ソフトバンクグループ、楽天グループ、KDDIなど。海外投資、M&A、デジタル事業の拡大とIFRS開示の親和性が高い領域です。

Section 4

ASBJと金融庁の役割

日本におけるIFRS適用は、民間の会計基準設定主体であるASBJと、制度設計・監督を担う金融庁の役割を理解すると全体像がつかみやすくなります。

ASBJ(企業会計基準委員会)

日本の会計基準設定主体として、日本基準の開発に加え、IFRSと日本基準のコンバージェンス(収斂)を推進しています。また、修正国際基準(JMIS)の開発・維持や、実務ガイダンスの提供を通じて、日本企業の会計実務を支えています。

金融庁

IFRS任意適用制度の設計・監督、適用企業リストの公表、国際的な会計基準をめぐる動向の情報提供を担っています。企業、投資家、監査人が制度の全体像を把握できるよう、国内外の情報を整理して発信しています。

Section 5

日本で併存する4つの会計基準

日本では、J-GAAP、IFRS、JMIS、US GAAPという複数の会計基準が制度上併存しています。どの基準で財務諸表が作成されているかを確認することは、企業分析の出発点です。

会計基準 主な特徴 適用企業数・主な対象
日本基準(J-GAAP) ASBJが策定する日本の伝統的な会計基準。会社法、税務、国内実務との連続性が高く、日本企業にとって最も一般的な基準です。 国内の大多数の上場・非上場企業。
IFRS IASBが策定するグローバル標準。原則主義を基礎とし、国際的な投資家や海外企業との比較可能性を高めます。 グローバル展開する大企業を中心に約300社。
修正国際基準(JMIS) ASBJがIFRSをベースに一部修正(カーブアウト)して策定した基準。日本の会計観に照らした限定的な修正を含みます。 適用企業は極めて少数。
米国基準(US GAAP) FASBが策定する米国上場企業等の基準。米国資本市場での開示実務と強く結び付いています。 米国市場に重複上場する一部企業。2004年の約35社から減少し、現在は約6社。
Expert View

TETSU先生の視点

「日本におけるIFRSの適用は、強制適用という形ではなく、グローバル資本市場での評価や経営管理の統合を目指す大手企業の『任意適用』によって推進されてきました。時価総額ベースで東証の約半分に達した現在、グローバル企業での勤務や監査・コンサルタントを目指す人にとって、IFRSの理解は必須のスキルとなっています。4つの基準が併存する日本ならではの実務環境を理解することが重要です。」

※ このセクションはReiwa Accountingの講師による独自の解説であり、公式機関の見解を示すものではありません。

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